事業推進の7柱
行政・農業・工業・商業・住民の有機的連携によって
資源が循環する地域の自立モデル創出
大手スーパーが地域にできたことによって、とても便利になったと思った。
しかし同時に、それまであった地元商店が次々にシャッターを閉めていく結果となっ
ていきました。
経済優先、競争社会では、強大な資本力の一人勝ちを目のあたりにすることとなり、
地域経済は破綻の道を歩いているようにも見えます。
この資源循環事業は、住民参加型の事業であり、あるべきインフラ整備事業とも言え
ます。
行政・農業・工業・商業・住民の有機的な連携による、新たな地域内循環(生ごみ、
畜ふん、たい肥、米・野菜・果物などの農畜産物の生産および流通)の構築と地域社
会のパートナー シップ形成によって、地域経済の再生と活性化を目指し、自立に向け
た町づくりを始める必要があると考えます。
高品質堆肥化事業と地力再生土づくり事業
(肥料の地域自給と循環型農業 食料の自給)
資源循環型堆肥化施設によって、生ゴミや適切に処理されない畜産糞尿を発酵させ、
堆肥に転換することで、地元産の高品質堆肥が生まれます。
出来上がる堆肥のあるべき姿は腐葉土を目標とし、昔ながらの堆肥を目指しました。
圃場に投入すれば、土の団粒化が促進され、土の物理性、理化学性、生物性が改善さ
れ、その堆肥は地力の衰えた農地の地力回復と土づくりに貢献することになり、高度
土づくり事業が可能となる高品質堆肥の製造を考えました。
地域産堆肥を利用した土づくり技術の推進と
農産物のブランド化(農業の転換と活性化)
農業も転換のときを迎えている。農の基は土、土作りの原点に回帰する時です。
地元産の堆肥は、地域の希望する農家に安価にて提供され、農薬・化学肥料の多投に
よって失われた地力の回復に積極的に利用して頂くことによって、安全で健康な米・
果樹・野菜が栽培することができます。
堆肥投入による土づくりの技術、堆肥利用の栽培技術の構築が必要となるので、勉強
会を設置して、魅力ある農業への転換を目指ていきたい。
こういった活動が後継者育成や、後世に残すことができる技術の構築と伝承につなが
ると考えています。
堆肥利用が進むと、農産物のブランド化、特産品化が可能となります。
市場での基準は、外見(大小・形・色)によるところが大きく、中身については表現
のしょうがなかった。地域の特色や取り組みがなかったとも、裏付けが無かったとも
言えます。
地域連携の取り組み(資源循環や地元産堆肥)や、取り組む姿勢(堆肥利用土づく
り)が、まさしくブランドであり、その裏付けとなると考えます。
中身からのスタートが大切なのであります。
ゴミ問題からの意識転換、
ゴミを宝に!をスローガンとして推進(ゼロエミッション)
可燃ゴミの40%以上を占めると言われる生ゴミ。その焼却灰を埋立る最終処分場の残
余年数は危機的状況にあり、新たな立地先をめぐって住民との間に新たな問題を生む
結果となっています。
焼却埋立処理のコストは今後も上昇するであろうと思いますし、それが行政の財政を
少なからず圧迫する要因となると考えます。
地域内のゴミは、自区内処理の原則から言っても、他地域に依存する度合いは極力減
らす必要があります。
生ゴミは、堆肥化すれば資源となりそれを循環させることで活かすことができます。
ゴミが宝に変わる瞬間です。
企業の環境対策との連携
(企業連携の食品リサイクルループ形成)
本田技研工業株式会社様と連携し、地域資源循環事業として生ゴミの堆肥化を推進してい
ます。世界のマーケットを相手とする企業にとって環境対策は不可欠なものとなって
きており、環境保全型のインフラを希望する声が企業からも出てきています。
また同時に、国の施策に於いては、環境基本法・循環型社会形成推進基本法・食育基
本法・食品リサイクル法が急速に整備推進され、加えて廃棄物処理法の遵守と適正処
理の観点から、また環境保全型農業の観点からも、食品残渣のリサイクルに関する取
り組みは益々注目され、企業理念と法的根拠が重要視されることと存じます。
こと廃棄物処理法においては、法改正の頻度からも社会環境の転換期を十分に予測さ
れるレベルとなっていると認識しています。
住民参加型の町づくり
(食料の自給 地域リサイクルループ形成 地産地消地域循環)
地域の生ごみを分別し、堆肥に転換土づくり、元気な野菜を収穫し、地域で食する循
環の、小さな取組の種を蒔きました。
当事業は、農家・学校・家庭・企業・飲食店・商店等から排出される生ゴミを堆肥に
転換し、農地に投入することで地力の回復をはかり、安全で健康な農産物を収穫し、
消費者である学校・病院・家庭・企業・飲食店・商店等に農産物として戻すシステム
である。排出者=消費者であり、やっかいもの(生ゴミ)を、宝(堆肥)に転換し、
喜び(農産物)として循環するシステムであります。生ゴミという生活に密着した足
元のテーマだからこそ、地域の連携と住民参加の町づくりとして最適な事業だと考え
ます。
環境教育(食農教育・食育)の基盤としての活動、
地産地消の学校給食(給食リサイクルループ形成)
システムが稼働することで、リサイクル意識、ゴミ減量化、分別の大切さといった
環境問題を身近な問題として捉えることが可能になります。循環野菜が食卓や給食に
登場することによって、3度の食事と生ゴミから、自然環境や農業のこと、リサイク
ルや分別のこと、食べ物を粗末にしない心や感謝して食べることなど、心の豊かさを
取り戻すきっかけが家庭や学校で生み出され、環境対策や環境教育、子供たちの心を
育む学習や、日常の生活に生きてくることで、未来に対する夢や希望を感じます。
また、経済優先、競争社会の中で、忘れてきてしまった「大切な何か」に気づくきっ
かけとして機能して欲しいと考えました。
と言った構想の展開を、事業の基本的柱として設定し、推進することにしたのです。
※1995年に初期基本構想を立て、1997年から生ごみの回収を開始、本構想を取りま
とめました。 よって表現にレトロ感があるかもしれません・・・